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トップ > お知らせ > 婚約破棄の慰謝料は請求できる?相場と「正当な理由」の判断・結納や婚約指輪の扱い・時効を弁護士が解説
2026.10.5コラム
婚約破棄の慰謝料は請求できる?相場と「正当な理由」の判断・結納や婚約指輪の扱い・時効を弁護士が解説

「結婚の約束をしていたのに、一方的に破棄されてしまった」「結婚式場も予約し、仕事も辞める準備をしていたのに…」。婚約を破棄された方、あるいは破棄してしまった方から、慰謝料や費用の負担についてご相談をいただくことがあります。そこで本記事では、婚約破棄で慰謝料を請求できるのはどのような場合か、一般的な相場の目安、結納や婚約指輪の扱い、請求できる期間までを、離婚・不倫のご相談を多く扱う弁護士の視点で整理します。

婚約破棄の相談のイラスト

婚約破棄で慰謝料を請求できるのはどんなとき?

婚約とは、将来結婚することを当事者が真剣に約束した状態をいいます。正当な理由なくこの約束を一方的に破棄すると、債務不履行や不法行為にあたるとして、慰謝料などの損害賠償を請求できる場合があります。

ポイントは、①婚約が成立していたこと、②破棄に「正当な理由」がないこと、の2点です。どちらも個別の事情により判断が分かれるため、「婚約破棄=必ず慰謝料が取れる」というわけではありません。

そもそも「婚約が成立していた」と言えるのは?

婚約は、口約束でも成立しうるとされています。ただし、単に「いつか結婚できたらいいね」と話していた程度では足りず、結婚するという確定的な合意があったかどうかが問われます。

後から「言った・言わない」にならないよう、次のような事情が婚約の存在を裏づける材料になります。

  • 結納や両家の顔合わせを行った
  • 婚約指輪を贈り合った
  • 結婚式場や新居を一緒に決めた・予約した
  • 結婚を前提とした内容のLINEやメールのやり取りがある
  • 職場や親族に結婚の予定を伝えていた

これらは破棄された側が立証していくことになるため、やり取りの記録は消さずに残しておくことが大切です。

「正当な理由」があるかどうかの考え方

婚約を破棄した側に正当な理由があれば、慰謝料の請求は認められにくくなります。一般に、相手の不貞行為(浮気)や暴力・虐待、行方不明など、婚約を続けることが難しい事情があるときは、破棄された側に責任がないとされやすい傾向があります。

反対に、「性格が合わない」「親族が反対している」「愛情がなくなった」といった理由だけでは、正当な理由とは評価されにくいと考えられています。もっとも、事情によって評価は異なります。たとえば相手の不貞が問題となる場合は、不貞行為の証拠はどこまで必要かも参考になります。

婚約破棄の「正当な理由」の考え方
図:婚約破棄の「正当な理由」の考え方

婚約破棄の慰謝料の相場と、金額を左右する事情

婚約破棄の慰謝料は、一般に50万円〜200万円程度が目安といわれることがあります。ただしこれは、これまでの裁判例や実務で見られる一般的な目安であり、公的な統計に基づく確定値ではありません(2026年10月時点)。個別の事案ではこの範囲を外れることもあります。

金額は、次のような事情を総合して判断されると考えられています。

  • 交際期間・婚約期間の長さ
  • 同居していたか、妊娠・出産があったか
  • 結婚を前提に退職・転居をしたか
  • 破棄に至る経緯や相手の態度の悪質さ
  • 破棄された側が受けた精神的苦痛の大きさ

慰謝料とは別に、結婚式場のキャンセル料や新居の準備費用など、実際に支出した損害を請求できる可能性もあります。慰謝料全般の考え方は、離婚の慰謝料を請求できるケースとできないケースでも整理しています。

結納金・婚約指輪はどうなる?

結納金や婚約指輪などは、「結婚が成立することを前提とした贈り物」と考えられるため、婚約が解消された場合の扱いが問題になります。一般論としては、次のように整理されることが多いです。

  • 破棄した側が贈った場合:返還を求めにくい傾向があります。
  • 破棄された側が贈った場合:相手に返還を求められる可能性があります。
  • 双方に責任がある・円満に解消した場合:個別の事情を踏まえた話し合いになります。

いずれも事案によって異なりますので、返してもらう・返すといった判断をする前に、一度ご相談いただくことをおすすめします。

請求できる期間(時効)と進め方

請求には期間の制限があります。一般に、不法行為に基づく請求は損害と加害者を知った時から3年、債務不履行に基づく請求は権利を行使できると知った時から5年とされています。ただし、どの構成で請求するか、いつを起算点とするかは事案により異なるため、お早めに確認されるのが安心です。なお、法律の内容は改正されることがあります。本記事は2026年10月時点の情報ですので、最新の内容は専門家や公的機関でご確認ください。

進め方としては、まず証拠(LINE・メール・領収書・写真など)を整理し、内容証明郵便などで請求し、話し合いで解決しない場合は調停や訴訟へ進むのが一般的な流れです。示談が成立した場合は、「言った・言わない」を防ぐため、合意内容を書面に残しておくことが重要です。

まとめ

婚約破棄の慰謝料は、①婚約が成立していたか、②破棄に正当な理由があるか、で大きく判断が分かれます。相場の目安は一般に50万円〜200万円程度ですが、事情によって上下します。結納・婚約指輪の扱いや時効も事案によって異なるため、自己判断で動く前に記録を整理することが大切です。

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監修:弁護士法人Si-Law(熊本県弁護士会所属・熊本市/八代市) 弁護士紹介 / 2026年10月5日 公開

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案の結論を保証するものではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。

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