「離婚したいけれど、どんな理由なら認められるのだろう」「性格の不一致だけでも離婚できるの?」とお悩みの方は少なくありません。結論から言うと、夫婦が合意すれば、理由に関係なく離婚できます。一方、相手が応じない場合に裁判で離婚を求めるには、民法770条が定める「法定離婚事由」が必要になります。そこで本記事では、離婚の原因・理由の考え方と法定離婚事由を、熊本・八代でご相談を受ける弁護士の視点から解説します。

※本記事は2026年10月時点の情報です。法改正や運用は変わることがあるため、最新の内容は法務省・裁判所の公式サイトや弁護士にご確認ください。
離婚に「理由」が必要なのはどんなとき?
離婚の方法は、大きく「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3つです。このうち、離婚原因(法定離婚事由)が法律上必要になるのは、最後の裁判離婚だけです。
協議離婚は夫婦の話し合いで離婚届を出す方法で、理由は問われません。調停離婚も、家庭裁判所で調停委員を交えて話し合う手続きであり、合意ができれば離婚が成立します。ただし、調停では離婚に至った経緯や事情を聞かれるのが通常で、事案によって対応は異なります。それぞれの違いは協議離婚と調停離婚の違いの記事で詳しく説明しています。

法定離婚事由とは?民法770条の4つの類型
相手が離婚に同意せず、調停も不成立になった場合は、離婚を求めて訴えを起こすことになります(離婚訴訟(離婚裁判)の流れは別の記事で解説しています)。このとき、裁判所が離婚を認める根拠となるのが民法770条1項の法定離婚事由です。
2026年4月施行の民法改正により、「強度の精神病にかかり回復の見込みがないこと」は離婚事由から外れました。現在の条文は、次の4つの類型で整理されるのが一般的です(条文の最新の内容は法務省・e-Govなどでご確認ください)。
- 不貞行為:配偶者以外の人と自由な意思で性的関係を持つこと
- 悪意の遺棄:正当な理由なく、同居・協力・扶助の義務を果たさないこと(生活費を渡さない、家を出て戻らないなど)
- 3年以上の生死不明:配偶者の生死が3年以上明らかでないこと
- 婚姻を継続し難い重大な事由:DV・モラハラ、長期の別居、重大な性格の不一致など、夫婦関係が破綻していると評価される事情
実際の裁判で争われることが多いのは、1つ目の不貞行為と、4つ目の「婚姻を継続し難い重大な事由」です。
不貞行為・悪意の遺棄・重大な事由の具体例
不貞行為(不倫)
不貞行為が認められるには、肉体関係があったことを裏づける証拠が重要になります。どこまでの証拠が評価されるかは、不貞行為の証拠はどこまで必要かの記事をご参照ください。なお、不貞行為をした側からの離婚請求は、事情によっては認められにくいことがあります。
悪意の遺棄
収入があるのに生活費を渡さない、理由なく一方的に別居して家族を放置する、といったケースが典型例です。ただし、DVから避難するための別居など、正当な理由がある別居は該当しません。別居中の生活費の請求については別居中の生活費(婚姻費用)の記事で説明しています。
婚姻を継続し難い重大な事由
最も幅広い類型で、一つの出来事ではなく、さまざまな事情を総合して「夫婦関係がもはや修復できない状態か」が判断されます。たとえば次のような事情が考慮されます。
- DV(身体的暴力)、モラハラ(精神的な暴言・支配)
- 長期間の別居(一般的な目安として数年単位とされることが多いものの、事案により異なります)
- セックスレス、浪費・借金、ギャンブル、親族との深刻な不和 など
モラハラについてはモラハラ離婚は証拠が決め手?、別居については別居のメリットと注意点の記事も参考になります。
性格の不一致だけで離婚できる?
「性格の不一致」は、裁判所が公表する司法統計(家事編)の離婚調停の申立ての動機でも、男女ともに上位に挙がる代表的な理由とされています(具体的な割合は年によって異なるため、最新の統計は裁判所の公式サイトでご確認ください)。
ただし、性格の不一致という理由だけで、裁判で離婚が認められるとは限りません。性格が合わないという事情は、それだけでは「婚姻を継続し難い重大な事由」と評価されにくく、別居の期間や、関係修復に向けた努力の経過など、他の事情とあわせて判断されるのが一般的です。
もっとも、協議離婚や調停で合意できれば、性格の不一致を理由に離婚することは可能です。まずは話し合いや調停で解決を図り、それでも難しい場合に裁判を検討する、という順序で考えるのが現実的です。
熊本で離婚原因について相談するときの準備
熊本県内で離婚調停や訴訟を行う場合は、お住まいの地域や相手方の住所地などに応じて、熊本家庭裁判所の本庁または支部(玉名・山鹿・阿蘇・八代・人吉・天草)が窓口になります。どこに申し立てるかは事案によって異なるため、最新の管轄は熊本家庭裁判所の公式サイトでご確認ください。
弁護士にご相談いただく前に、次のものを整理しておくと話がスムーズです。事案によって必要なものは異なります。
- 離婚を考えるようになった経緯を時系列でまとめたメモ
- 不貞やDV・モラハラを裏づける資料(メッセージ、写真、診断書、日記など)
- 別居の開始時期と、その後の生活費の状況がわかるもの
- お子さんの年齢・監護状況、夫婦の財産の一覧
離婚を決めたあとの全体的な進め方は離婚準備でやることの記事に整理しています。離婚原因の見立ては、証拠の有無や別居の状況によって大きく変わります。ご自身のケースが法定離婚事由にあたるかどうか不安な方は、早めに弁護士へご相談ください。
まとめ
- 協議離婚・調停離婚なら、離婚の理由は問われず、合意があれば離婚できます。
- 裁判離婚には、民法770条の法定離婚事由(不貞行為・悪意の遺棄・3年以上の生死不明・婚姻を継続し難い重大な事由)が必要です。
- 2026年4月の民法改正で、「強度の精神病」は離婚事由から外れました。
- 性格の不一致だけでは裁判で認められるとは限らず、別居の期間など他の事情とあわせて判断されます。
事案によって適切な対応は異なります。一人で抱え込まず、状況を整理するところからご相談ください。
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※AIによる一般的な情報提供です。個別の法的判断は弁護士にご相談ください。
監修:弁護士法人Si-Law(熊本県弁護士会所属・熊本市/八代市) 弁護士紹介 / 2026年10月4日 公開
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案の結論を保証するものではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。