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2026.9.2コラム
調停から審判に移ると費用はいくら?追加の手数料と弁護士費用を解説

離婚の話し合いのために家庭裁判所に調停を申し立てたものの、相手が譲らず「このままでは不成立になりそう」と言われた——そんなとき、次に気になるのが「調停から審判に移ったら、費用はいくらかかるのか」という点ではないでしょうか。裁判所の手続に進むほどお金がかかるのではないかと、不安に感じる方は少なくありません。そこで本記事では、調停が不成立になった後にどの手続へ進むのか、審判に移行するときの手数料や弁護士費用がどう変わるのかを、熊本・八代で離婚のご相談を受けている弁護士の視点から整理して解説します。

調停が不成立になった後の2つの道
図:調停が不成立になった後の2つの道

調停が不成立になると、その後どうなるのか

結論から申し上げると、調停の対象によって進み方が二つに分かれます。婚姻費用の分担、養育費、面会交流、財産分与、年金分割の按分割合といった「家事事件手続法の別表第二」に掲げられた事項は、調停が不成立で終わっても手続がそこで終わるわけではなく、自動的に審判へ移行するのが原則です(家事事件手続法272条4項)。改めて申立書を出し直す必要はありません。

これに対して、離婚そのもの(離婚するかどうか、離婚に伴う慰謝料をどうするか)は審判には移行しません。この部分については、離婚を求める側があらためて家庭裁判所に離婚訴訟を起こすことになります。なお、双方の意向が近く、わずかな点だけが折り合わないような場合には、裁判所が「調停に代わる審判」(同法284条)を出すこともありますが、当事者から異議が出れば効力を失うため、確実な解決手段として当てにできるものではありません。

審判に移行するときに追加の申立手数料はかからない

費用の面で最も安心していただきたいのは、調停から審判へ自動的に移行する場合、審判のために追加の申立手数料を納める必要は原則としてないという点です。法律上、調停を申し立てた時点で審判の申立てがあったものとみなされるためです。つまり、調停の申立てのときに納めた分でカバーされます。

調停申立て時にかかる実費の目安は、次のとおりです(事件の種類や裁判所によって異なります)。

  • 収入印紙:申立て1件につき1200円
  • 連絡用の郵便切手:おおむね1000円前後(裁判所ごとに指定されます)
  • 戸籍謄本などの添付書類の取得費用:1通450円程度
  • そのほか、期日への交通費、審判書の謄写費用など数千円程度

審判に移った後も、裁判所に納める費用としては、必要に応じた書類の取得費や郵便切手の追納程度にとどまるのが通常です。「審判になるとお金が跳ね上がる」というイメージをお持ちの方が多いのですが、裁判所に支払う費用という意味では、審判移行そのものによる負担増は限定的とお考えいただいて差し支えありません。

離婚訴訟に進む場合は費用の考え方が変わる

一方で、離婚そのものについて争いが残ったまま調停が不成立になった場合は、離婚訴訟を提起することになり、ここは新たな手続なので費用が別にかかります。訴え提起の収入印紙は離婚を求めるだけで1万3000円が原則で、慰謝料や財産分与、養育費なども併せて求める場合には、その内容に応じて印紙額が加算される取扱いになっています。郵便切手も別途必要です。

また、訴訟では調停と違って、主張を裏づける証拠を書面できちんと提出していく必要があります。期間も調停より長くなりやすく、判決まで1年以上かかることも珍しくありません。「調停から審判」と「調停から訴訟」では、費用も労力もかなり性質が違うということを、早い段階で押さえておくことが大切です。

弁護士費用は「審判移行時の追加着手金」の有無で変わる

実務上、依頼者の方が一番差を感じやすいのは、裁判所に納める費用より弁護士費用のほうです。離婚調停の弁護士費用は、着手金がおおむね20万〜40万円程度、解決時の報酬金が得られた結果に応じて同程度、というのが一つの目安ですが、事務所によって幅があります。

問題は、調停から審判に移ったときに追加の着手金が発生するかどうかが、契約内容によって異なるという点です。事務所によっては、審判移行時に追加着手金(10万円前後の例が見られます)を定めているところもあれば、調停と審判をひと続きの手続として追加着手金を設けていないところもあります。訴訟に移行する場合は、さらに別の着手金が定められているのが一般的です。

ですから、依頼の段階で次の3点を必ず確認しておくことをおすすめします。

  • 調停が不成立になり審判に移行したとき、追加の着手金が発生するか
  • 離婚訴訟に進んだ場合の着手金・報酬金はいくらか
  • 期日ごとの日当や、遠方の裁判所に出頭する場合の交通費の扱い

費用の全体像は、当事務所の弁護士費用のご案内もあわせてご覧ください。なお、収入や資産が一定額以下の方は、法テラスの民事法律扶助を利用して弁護士費用を立て替えてもらえる場合があります。

熊本・八代で調停から審判に進むときの実務ポイント

熊本県内で離婚に関する調停を申し立てる場合、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所(熊本家庭裁判所の本庁または八代支部など)が窓口になるのが原則です。審判に移行しても、原則としてそのまま同じ裁判所で手続が続きます。八代・県南にお住まいの方が、調停の途中で熊本市の裁判所に通わなければならなくなるといった事態は通常生じません。

審判で出された判断に納得できない場合は、審判書を受け取った日から2週間以内に即時抗告をすることができます。熊本の家庭裁判所の審判に対する抗告先は福岡高等裁判所になります。この2週間は非常に短く、過ぎてしまうと審判が確定してしまいますので、審判書が届いたらすぐに弁護士にご相談ください。

もう一つ実務で重要なのが、調停で口頭で述べた事情が、そのまま審判の資料になるわけではないということです。審判は裁判官が資料に基づいて判断する手続ですので、収入の資料、支出の実情、子どもの生活状況など、必要な事実は書面と証拠で改めて示す必要があります。逆に言えば、審判で出された結論は債務名義となり、支払われないときに給与の差押えなど強制執行の手続をとる根拠になります。婚姻費用の請求方法協議離婚・調停離婚・裁判離婚の違いもあわせてご確認いただくと、全体の流れがつかみやすくなります。

まとめ

調停が不成立になっても、婚姻費用・養育費・面会交流・財産分与などについては自動的に審判へ移行し、裁判所に納める追加の申立手数料は原則として不要です。一方、離婚そのものを争う場合は離婚訴訟となり、収入印紙1万3000円〜など別の費用がかかります。実際の負担の差は、むしろ弁護士費用の契約内容(審判移行時の追加着手金の有無)に表れやすいところです。

「調停がうまくいかなそうだが、この先いくらかかるのか分からない」という段階でのご相談も歓迎です。見通しと費用を先にお伝えできれば、どこで折り合いをつけるかという判断もしやすくなります。個別の事情によって結論は異なりますので、まずは具体的な状況をお聞かせください。

離婚・不倫のご相談は弁護士法人Si-Lawへ

弁護士法人Si-Law(熊本・八代)では、離婚や不倫に関するご相談を承っております。財産分与・慰謝料・親権・養育費など、お金と子どもの問題について、あなたにとって最善の解決を一緒に考えます。初回相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案の結論を保証するものではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。

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