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トップ > お知らせ > 不倫慰謝料の時効は3年|起算点の数え方と時効を止める手続きを弁護士が解説
2026.10.13コラム
不倫慰謝料の時効は3年|起算点の数え方と時効を止める手続きを弁護士が解説

「不倫が分かってから何年も経ってしまった。今から慰謝料を請求できるのだろうか」——離婚や不倫のご相談では、時効を心配される声をよく伺います。不倫(不貞行為)の慰謝料請求には期間の制限があり、これを過ぎると原則として請求が認められません。そこで本記事では、不倫慰謝料の時効が何年なのか、いつから数えるのか、期限が迫ったときに時効の完成を止める手続きは何があるのかを、熊本・八代で離婚や不倫のご相談を多く扱う弁護士の視点から整理します。(本記事は2026年10月時点の情報です。)

不倫慰謝料の時効のイラスト

不倫の慰謝料の時効は「3年」と「20年」

不倫(不貞行為)の慰謝料は、民法上の不法行為に基づく損害賠償請求です。民法724条は、この請求権が次のいずれか早い時点で時効により消滅すると定めています。

  • 損害および加害者を知った時から3年(民法724条1号)
  • 不法行為の時、つまり不貞行為があった時から20年(同条2号)

不倫の事実と相手方を知っていれば3年、知らないまま時間が経った場合でも不貞行為から20年が区切りになるのが原則です。どちらか早く満了した方が基準になりますので、「まだ20年は経っていないから大丈夫」とはいえません。なお、ここでいう不貞行為は肉体関係があった場合を前提とする考え方が一般的で、どこまでが不貞行為に当たるかは事案によって判断が分かれます。

3年はいつから数えるのか|起算点は「知った時」

3年の起算点は、不貞行為があったこと(損害)と、その相手が誰か(加害者)を知った時です。実務では、配偶者と不倫相手で時効が別々に進む点に注意が必要です。

  • 配偶者への請求…配偶者の不貞を知った時から
  • 不倫相手への請求…その相手方を特定できた時から

不貞があったことは知っていたものの相手が誰か分からなかった、という場合には、相手を特定した時点から3年と考える余地があります。もっとも、どの時点で「知った」といえるかは、メッセージの履歴や当時のやり取りといった証拠によって評価が分かれやすく、事案によって結論は異なります。期間が微妙なケースでは、ご自身の記憶だけで判断せず、資料をそろえて確認することをおすすめします。

「離婚から3年」は正しいのか|最高裁平成31年2月19日判決

インターネット上には「離婚してから3年」と説明する情報も見られますが、この点は注意が必要です。最高裁平成31年2月19日判決は、不倫相手に対する請求について、離婚そのものによる精神的苦痛の慰謝料(離婚慰謝料)は、その第三者が夫婦を離婚させるために夫婦関係へ不当に干渉したなどの特別の事情がある場合に限られる、という判断を示しました。

その結果、不倫相手に請求できるのは主に不貞行為自体による慰謝料となり、その時効は離婚の時ではなく、不貞と相手を知った時から3年で進むことになります。「離婚から3年あるはず」と考えて待っていると、不倫相手への請求権が先に時効にかかってしまうおそれがあるということです。他方、配偶者に対する離婚そのものの慰謝料については、離婚が成立した時を起算点として考えるのが一般的です。

時効の起算点は請求の中身で変わる
図:時効の起算点は請求の中身で変わる

また、夫婦の間の権利については、婚姻の解消から6か月を経過するまでの間は時効が完成しないとされています(民法159条)。別居中に期間が満了しそうな場合でも、配偶者への請求には猶予が認められることがあります。

時効の完成を止める手続き

期限が近い場合、民法は時効の完成を遅らせたり、期間を振り出しに戻したりする制度を用意しています。代表的なものは次のとおりです。

  • 催告…内容証明郵便などで請求すると、その時から6か月を経過するまで時効が完成しません(民法150条)。ただし、猶予期間中に重ねて催告しても期間は延びないとされています。
  • 協議を行う旨の合意…書面や電磁的記録で協議の合意をすると、合意から1年、当事者が定めた協議期間、協議の続行を拒絶する通知から6か月のいずれか早い時まで猶予されます(民法151条)。
  • 訴訟・調停の申立て…手続が終わるまで時効の完成が猶予され、判決が確定すれば時効期間は新たに10年となります(民法147条・169条)。
  • 相手方の承認…相手が支払義務を認めると、その時から時効期間が新たに進行します(民法152条)。

催告による猶予は6か月にとどまるため、その間に訴訟や調停へ進む準備を並行して進める必要があります。どの手段をどの順序で選ぶかで結論が変わりうるところですので、期限が迫っている場合は早めにご相談ください。

なお、時効期間が過ぎたからといって請求権が当然に消えるわけではなく、相手方が時効を主張(援用)して初めて消滅の効果が確定するのが原則です。逆に、請求された側が支払義務を認める書面を出すと、後から時効を主張できなくなる可能性があります。請求を受けた側の対応は不貞の慰謝料を請求されたときの対応もあわせてご覧ください。

熊本・八代で請求するときに押さえておきたいこと

不倫相手に慰謝料を請求する訴訟は、配偶者との離婚の手続とは別の民事訴訟として扱われます。請求額が140万円を超えない場合は簡易裁判所、これを超える場合は地方裁判所が担当するのが原則です(裁判所法33条1項1号)。熊本県内では熊本地方裁判所・熊本簡易裁判所や、八代をはじめとする各支部・簡易裁判所が選択肢になります。これに対し、配偶者に対して離婚と慰謝料をあわせて求める場合は、家庭裁判所の調停や訴訟によるのが原則です。実際の管轄は相手方の住所などによって変わりますので、申立て先は裁判所の公式サイトでご確認ください。

時効が気になる事案では、証拠の確保も同時に進めることになります。写真やメッセージのやり取りは時間の経過とともに失われやすく、どの程度そろっていれば請求に耐えられるかは事案ごとに異なります。証拠の集め方は不貞行為の証拠はどこまで必要か、請求の進め方は不倫(不貞行為)の慰謝料請求の流れで詳しく解説しています。

期限が近いかどうかの見立てだけでも早めに確認しておくと、取れる手段が広がります。熊本オフィス・八代オフィスいずれでも、無料相談のご予約を承っています。弁護士の体制は弁護士紹介をご覧ください。

まとめ

不倫慰謝料の時効は、原則として不貞と相手を知った時から3年、不貞行為の時から20年のいずれか早い時点までです(民法724条)。「離婚から3年」と一律に考えると、不倫相手への請求が先に時効にかかるおそれがあります。期限が近い場合には、催告・協議の合意・訴訟や調停の申立て・相手方の承認といった手段で時効の完成を止める余地がありますが、いずれも資料の準備が必要です。残された期間の見立ては、不貞を知った時期や相手を特定した時期といった事情によって変わりますので、熊本・八代で不倫や離婚の慰謝料についてお悩みの方は、早めに弁護士へご相談ください。

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監修:弁護士法人Si-Law(熊本県弁護士会所属・熊本市/八代市) 弁護士紹介 / 2026年10月13日 公開

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案の結論を保証するものではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。

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